25.2.19

2月前半の山場

2月前半はパリまで遠出をしてとある勉強会に出席、その後SOASで開かれた日本美術のワークショップがありました。
勉強会は内容がとても充実していて、朝から夕方までみっちり行われてもまったく苦にならないものでした。自分がやってきたことは間違っていなかったことも分かってさらに励みになりました。懐かしい人にも会えてよかったよかった。

日本美術のワークショップは、12歳から14歳ぐらいの生徒を迎えて1時間20分ほどの、短いワークショップでした。この時間でできるものとなると案外難しく、悩んだ末に紙を折って作る扇にしました。本当は棒と紙を使って作る折りたたみ式の扇子を作ろうと思ったのですが、自分でやってみたらあまりにも難しすぎて断念。これは高度な技が必要だということに初めて気付きました。中世に日本から中国への輸出品になったのも宜なるかな。何事もやってみるものですね。他に屏風や掛け軸からおもしろそうな画題を探してきて、意味などを解説した配布物も用意しました。
当日はとにかく元気な生徒さんが多くて圧倒されっぱなし。SOAS側の事務で中心になって動いてくれている係の人はもう慣れているようで、「みんなー!!説明するよー!!!」と大声で呼びかけてくれて何とか説明開始。簡単に作り方を説明したあと、「じゃあ作りましょう」というと、わーっと一斉に紙を折り始めました。それこそお椀をひっくり返したかのような勢いです。
ちなみに、説明のときは自分で事前に作ったものを使ったのですが、扇子の難しいところは、あまり小さく描いてしまうと、折りたたんだときに何を描いたのかよく分からなくなってしまうところです。一回目でそれを実感したので、次はもっと大きく描いたら何とかなりそうだったので、それも見せつつ各テーブルを回っていたら、「猪上手だね!」と生徒さんからお褒めの言葉をいただきました(私は猪に挑戦)。「君も上手だよ。名前も書ける?」と話していたら「やってみる!」と言ってくれてほっとしました。山本五十六ではないですが、「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」ですしね。
配布物の画題を描く人(そしてとても上手な人もいる)、自分で好きな絵を描く人、はたまたカタカナで書いた自分の名前を、工夫を凝らして扇に描く人もいて面白いなあと思いました。
終わったときに、ある生徒さんが余った紙で折った鶴をくれました。せっかくなので名前を書いてもらい、その日の記念に。
普段10代に接していないのと、生徒さんがとても元気だったので気力を使い果たし、家に帰ってすぐ昼寝した次第です。学校の先生は毎日本当にお疲れ様です。