14.8.16
古本も扱うイギリスの本屋
大学の近くにウォーターストーンズ(Waterstones)という本屋があります。建物からして重厚な構えですが、中も赤紫がかった絨毯に黒い本棚が壁を埋め尽くして落ち着きのある、時間が止まったような感さえある本屋です。
2週間前、オックスフォード辞典を買いに久しぶりに訪れました。辞書ソフトウェアを買えばいいのかもしれませんが、紙の辞書でないと都合が悪いこともあるのでとうとう買おうと決心したわけです。
すべてのウォーターストーンズに当てはまるわけではないのかもしれませんが、このゴーワー・ストリート角に立つお店は古本を扱っているのが特徴です。中には18、19世紀に遡るのではないかと思われるものも置いてあります。しかも、古本用の場所が取ってあるだけではなく、新刊本と同じ棚に平然と並べてあることがあります。前回本を購入したとき、レジで係の男性が「これは中古品だから値段は○○ポンドです」と言うので驚いたことがあります。本の裏表紙を見てみたら、中古品用のバーコードが貼ってあり、表紙を開けると鉛筆で値段が書き込まれていていました。もしかするとイギリスでは中古品を扱うための資格等が必要ないのかもしれません。以前オックスフォード・ストリートの大型ファストファッション店に行ったとき、1950〜60年代のブローチが安く売られているのを目にしたことがあります。1個購入して以来、スーツを着るときに重宝しています。
さて、辞書コーナーに行き、目当ての棚を眺めること数分、辞書を見比べること20分、オックスフォード辞典の第7版、8版、9版のうちどれを買おうか悩んでいました。どの版がいいか事前に調べてくれば良かったと後悔しつつ、入り用なので今日なんとしても買って帰りたい。8版と9版は比較的最近出版されたもので、インターネットで英文法や校正を練習できるソフトがついているらしい。しかしそのためか値段が高くて、どちらも40ポンド近くする。対して7版は10年前だけれども、まだ使えそうだし、本側面の見出しが印字されている(8版と9版にはなくて、使いづらそうに見えた)、しかし少し汚れているけれどもなぜだろう、はてその値段は、と見てみると、これが中古品でした(以前の持ち主の名前も書いてありました)。バーコードは貼ってありませんでしたが、中に「£12.50」と鉛筆書きを発見。なんと他の2版の半額以下。迷わずこれに決めてレジへ持って行き、担当者に一応中古品であることを伝えると、「いい買い物だね!」の言葉とともにこの値段で購入できました。
古本も扱える制度というのは不思議ですが、出費を抑えたい学生にとっては助かることこの上ないものです。今では大活躍の辞書、これからもお世話になります。