11.6.18

コーヒーマシーンにもお国柄が出るらしい

購入してから3年目になろうかというところで、とうとう我が家のコーヒーマシーンが壊れてしまいました。豆を粉砕するところからできる機械で重宝していたんですが、豆を砕く部分が故障したらしく、コーヒーが粉となってフィルターの中に落ちてこないという事態に。
ミキサーで豆を砕いてから自分でフィルターにセットするという方法もありますが、面倒だし、もう壊れた機械をいつまでもだましだまし使えるものなのか、という疑問もあったので、買い換えることにしました。外で飲んだら最低でも2ポンドはするので、二人で4ポンド、前の機械は100ポンドぐらいだったので、今回もその価格帯のものにすればまあ1ヶ月もあれば元は取れるでしょ、という考えです。
で、やってきましたジョン・ルイス (John Lewis)。家電は大体ここで見て、よさそうなら購入、なかったらアマゾンを探すというのが我が家のルーティンです。日本だと家電屋さんは立派だし、それなりに安く手に入れることもできますが、あのレベルのお店はイギリスにはないと思います。百貨店か量販店に行って買うか、アマゾンなどの通販で買うことが多いんじゃないでしょうか。ちなみに、電気屋はトッテナムコート・ロード沿いに集まってますが、秋葉原には遠く及びません。
コーヒーマシーン売り場を見ると、これなら喫茶店がすぐにも開けるんじゃない?と思わせるような機械がずらり。しかし、我が家にはそんなものは必要ない。豆を挽いて淹れるというシンプルな機能さえあれば充分なのですが、見当たらず、定員さんに聞いてみることに。すると、デロンギの数百ポンドはする機械を勧めてくれましたが、値段もさることながら機能が多すぎてかえって使いづらそうだったので、「もっとシンプルなのものでいいです」と伝えると、「これかなあ」と奥の棚にあったものを見せてくれました。たしかに豆から挽いて淹れるだけのもので、100ポンドを切っていたのでお買い得、と一瞬思ったのですが、次の定員さんの言葉に耳を疑いました。曰く、「この機械で淹れると、ぬるくなると思うよ」と。
あまりに私たちがぽかんとしてたからか、定員さんが補足で説明してくれました。「アメリカ人はコーヒーを買ったらすぐ飲むだろう?だからあまり熱すぎると都合が悪い。ヨーロッパではみなマグに入れて、話をしたりしながらゆっくり飲むから、最初から熱い方がいい。だからアメリカとヨーロッパでは機械の造りが違っていて、今見せてるのはアメリカの会社の製品だから、ぬるいと思うよ」
そんなことってあるのかなあと半信半疑でしたが、定員さんの言葉を信じることにしまして、それならネットで探そうかということになりました。
この話を聞いて思い出したのが、マクドナルドのコーヒーの温度をめぐって、アメリカで争われた裁判です。1992年にコーヒーをこぼしてしまって重いやけどを負った高齢の女性がマクドナルドを相手に「コーヒーが熱すぎる」と訴訟を起こし、和解金を支払わせた訴訟ですが、当初からコーヒーをこぼしただけで訴訟になるなんて、と話題になったようです。その後マクドナルドはカップに注意書きを大きく書くようになったようですが。イギリスでも似たような訴訟はありましたが、「コーヒーや紅茶は熱い湯で淹れるものだし、熱ければ待てばいいわけで、企業側には問題ない」ということになったようです。
飲み物の温度と機械ってお国柄が出るらしい、ということを初めて知った次第でした。