私が20年近く前に家族とアメリカに住んでいたころ、すでに住んでいたとある日本人の一家には困りました。「口は災いの元」を体現するとしたらこんな感じかな、と思わせるような人たちで、あることないことを言いふらしてしまう。私にはそれほど害は及びませんでしたが、両親は苦労していそうだなと、はっきりとは分からないまでもうすうす感じていましたし、数年経って確認してみたら、やはりそうでした。
こちらに来てから知り合った方とお茶をしていたときも、その方が数十年前、まだ小さいころに家族でポーランドに住んでいたとき、やはり長年住んでいた日本人の奥さんが面倒な人で、お母さんが苦労していた、と話してくれました。なんでもその奥様、その方のお母様に対して「服装がなってないから着替えてきなさい」「ハンドバックは最低でも6個はないと」と言ったのだとか。一度「服が合ってないから帰りなさい」とまで言われたそうです。ひえ〜・・・当時は日本人の集まりの中でのルールがとても厳しかったようで、それに逆らうと村八分的な対応をされたと言っていました。
情報が手に入りづらい時代には上記のような集まりもそれなりに意味があったのかもしれませんが、インターネットがある現代にはたして本当に必要かどうか。一考を強くお勧めします。例えば、通勤、通学の便を考えたらどこか最適だろうか、治安はどうか、周りにスーパーはあるか、趣味の活動はしやすいか、など、選択肢はいくつもあります。子供がいるなら、その子が通う学校の近くの方がいいでしょうし(送り迎えを家族がするから)、サッカースタジアムの近くはいやだとか、または日系の病院が近くにある方がよい、という人もいるかもしれません。自分にとって何が重要か、ぜひ見極めてください。
ちなみに、これは日本人に限った話ではありません。かつて中国人の友人が「中国人はお互いに冷たい」と言ったことがあります。私の周りの中国人はみな仲が良く、助け合っているところを見ていたので驚いて、「本当?」と聞き返したら、「そうだよ。だって中国人は中国人をだますもの」と答えました。同国人に対する突き放した見方はさすがと思いました。だからこそ、友達になったら親身になるのかもしれません。
我が家は二人の通学先への利便性重視で考えましたが、決め手になったのは、実はよさそうなパブが目の前にあることでした。疲れたらおいしいビールをすぐそこで飲める、これも大事なことです。
我が家は二人の通学先への利便性重視で考えましたが、決め手になったのは、実はよさそうなパブが目の前にあることでした。疲れたらおいしいビールをすぐそこで飲める、これも大事なことです。