いやはや、昨日までのロンドンは例年にない暑さでまいっていました。30度の日が2週間以上続いていて、昼も夜も暑く、したがって寝付きも悪くてしんどいものがありました。レンガ造りの冬仕様の家になぜかまったく効かないエアコン。扇風機を買っていく人を何人通りで見たことか。今日は23度まで下がり、天気も曇りで非常に過ごしやすいです。
さて、今日はワールドカップ準決勝ベルギー対フランス戦。なんだかこれが決勝のような感がありますが、面白い試合になりそうなので見なければ。これまでサッカーにあまり興味がなかったのですが、ワールドカップを見始めたら面白くてはまってしまいました。解説が充実しているからでしょうか。選手がどう空いた空間を使い、攻めていくかを解説してくれているので、構造的に見ることが要求されるんだなと思います。よいプレーには最大限の賛辞を贈り、だめなプレーにはものすごく手厳しい、これもはっきりしています。日本対ベルギー戦のときは、結果は残念だったけれども日本の戦い方を絶賛していました。BBC の Man of the Match には乾選手が選ばれていましたし、あのシュートには"Lovely finish!"とか"It is a truly world class goal!"などと解説者が口々に叫んでいたのを思い出します。乾選手がフリーになるように動いた香川選手の動きもよかったですね。ポーランド戦でも、後半こそ"Surreal!"と言われたものの、前半は日本のプレーに感心していて、「こんなにボールを確保して攻めてくるチームと戦うことになるのだとしたら恐ろしい」とまで言っていたのでした。そのときはまだベルギーとイングランドのどちらが日本と戦うことになるか分からなかったですしね。
先週土曜日のイングランド対スウェーデン戦をパブで見ていたら、90分間、お客さんの大半は立ったまま、仁王立ちでした。イングランドがゴールしたときの、腹の底から噴き上げる歓声の迫力はすさまじいものがありました。その前のコロンビア戦もパブで見てましたが、テレビ画面の前にみな釘付け、PK戦を食い入るように見ていたのが印象的でした。最近いいニュースがなかったので、イングランドが4強に入ったのがそれはそれはもう大ニュースで、街を歩いているとイングランド旗を付けた車や窓を見かけるし、土曜日の公園ではサッカーボールを蹴っている子供達が楽しそうで、スポーツの効果って大きいんだなあと実感しました。イングランドチーム監督のガレス・サウスゲイト監督はその功績と実直さから、ツイッターで#GarethSouthgateWould (ガレス・サウスゲイトはこういうことをするだろう)で話題になっています。例えば「ガレス・サウスゲイトはバンク・ホリデーのあと、いつがゴミ出しの日か教えてくれるだろう。ついでに、ご近所さんにも声がけをするだろう」とか。秀逸だったのは「ガレス・サウスゲイトは政府内のごたごたを片付けて、ブレクジットをよい形で導いてくれるだろう」でしょうか。イギリス人の切実な願いが表れていますねえ。