イギリスの紅茶はおいしい、とよく言われます。昨年までイギリスにまったく縁の無かった生活を送ってきた私は、それを聞く度に本当なのかなあと思ったものでしたが、こちらで暮らしてみた結果、この説はやっぱり当たっていると思います。
それで、どんな風においしいか、ということなのですが、コクも渋味もあるけれどもすっきりしているように感じます。言葉が足りてませんが、実際こう思います。脂肪分の高いミルクを入れるので、こってりしてしつこいのか、と思いきや、そうじゃない。初めてイギリスに来てロンドンのホテルに泊まったとき、そのホテルの小さなラウンジで飲んだ紅茶があまりに想像と違っていたので驚きました。でもそのときに「これはおいしい・・・!」と感じたわけです。
日本に一時帰国したときに色々な紅茶を飲み比べてみましたが、少し長く待ってみても薄いように感じたり、おそらくイギリスで普段飲まれている牛乳に近い、高脂肪分の牛乳を出してくれたところもあるのですが、お茶と合ってないように感じたりしました。イギリス向けに作られた紅茶なら、やはりイギリスの石灰分が多い硬質の水を使ってこそのように思います。もちろん、今は色々な場所で茶葉が作られているので、軟水でもおいしい紅茶をいれることができるとは思うのですが。
そしてコーヒーより断然安いので、家で手軽に飲めるのも嬉しいです。やっぱりというか、スコーンとの組み合わせは絶妙。
さて、おいしい飲み物とは。人によりけり、で終わってしまいそうな話ではありますが、それ自体では強い主張がないように思えても、普段の食事と合わせると効果抜群、しかも料理やお菓子を引き立ててくれるようなもの、無いとものすごく寂しくなるもの、と思ってます。これはチェコに行ったとき(というよりはビザが発行されるまで足止めをくらっていたとき)に飲んだチェコビールでも言えるかなと思います。チェコのビールってすっきりしていて飲みやすいです。チェコの煮込み料理を食べるときにはとてもお勧めで、こってりした料理を引き立てて、適度に口直し(または口休み?)をしているような感覚がありました。ちなみに、日本から帰ってきて真っ先に飲んだのは紅茶でした。
対してイギリスのビール、特にエールやIPA、それにスタウトは、それ自体で強烈な味と香りがあります。こちらの人は何も食べずに何パイントも飲むし、パブも料理を楽しむというよりはお酒を楽しむ場所なので(もちろん料理を出すところもありますが)、ビールそのものに強い個性があるのかなあと想像しています。
念のため付け加えておくと、イギリスのビールも大好きです。ロンドン・スタウト、いいですよ。こくうまです。