29.2.16

28.2.16

カラフルな塀


先日行ったセント・アルバンズ教会へと続く道の塀。色合いが面白かったので撮影。

22.2.16

EU離脱したらどうなる?

イギリスは今、EU残留・離脱の是非について大いに揉めています。それを決める投票日が今年の6月23日に決まり、離脱派と残留派が論戦を繰り広げているところです。EUを離脱した場合、ポンドが20パーセント安くなるそうです。
イギリスの大学にはEU枠がありますが、離脱したらそれもなくなり、国外から来る学生ということになって国内の学生に比べて高い(本当に高い)学費を払わなければならなくなるのか、それともEU枠は残すのか興味があります。どちらにしろ、私たちのようなEU枠ですらないところから来た学生は、彼らに比べて約2倍近い学費を払わなければならないのは変わらないのでしょうが。
国内とEU枠は同じ学費ですが、それでも高いことには変わりなく、昨日触れたイタリア人の友人は学費を稼がないといけないのと勉強の両立が難しくて、1年で終わらせる修士課程を2年にすると言っていました。2年にすると(SOASではパートタイムと呼ぶ)半額ずつ1年ごとに払えばいいから、それで少しゆっくりやりたい、と。
逆に、もう一人の友人は、最初は2年でやるつもりでいたけど、こんなにきついなら1年で何とか頑張って修士号取っちゃった方がいいと思い、途中で1年に変更した強者。ちなみに彼女は40代で、デザインの仕事をしているけれども美術の勉強がしたくて入学したと言っていました。その彼女がパートタイムを選んだ友人に「パートタイムだろうと何だろうと、気にせずに勉強すればいいじゃない!どんな選択だって自分のために考えたことなんだから、絶対にうまくいくわよ」と励ましていました。年齢、国籍、人種など背景はばらばらですが、そんなこと関係なく、自分のペースでやりたいようにやればよいという考えが共有されているのを見て嬉しく思いました。

21.2.16

作品解説とディスクリプション

「日本の展覧会で表示されている作品解説には、ディスクリプションは多いけど歴史的背景・文脈の説明が少ないと思わない?」と先日友人から言われました。
ディスクリプションとは、いわゆる「人相書き」のようなもので、「画面向かって右側に赤い屋根の家があり、背後には丘がなだらかな線をえがいていて・・・」といったような、何が描かれているのかを具体的に言葉にしていくことです。この説明を読んでその作品を思い浮かべることができれば、そのディスクリプションは成功していることになります。ただ、実際には、よく似た作品はいくつもあったりするので、必ずしも同一性を確かめることはできないのですが。なぜディスクリプションを書くのかといえば、それが見ることの訓練になるからです。人間、見ているようで意外と見てないものです。
その友人(イタリア人)は浮世絵を勉強したくてSOASにやってきたわけですが、数年前に語学勉強のため日本に住んでいたので、よく美術館や博物館に通ったのだそうです。そこで目にした作品解説についての意見が冒頭の言葉です。
その数日前に似たようなことを思ったので、「そうかもしれないね」と返しました。それは、別の友人から、貿易陶磁について開催された日本の展覧会図録を見つけたんだけれども、日本語が読めないから4点の作品解説を翻訳してくれないか、と頼まれたときのことです。作品解説がすべてディスクリプションに終始していることに気づきました。たしかに「明時代 17世紀」とはあるけれども、もう少し具体的な情報、例えば「誰がいつどこで作り、どこへ向けて輸出した(であろう)もので、日本には少なくともいつの時代からあった」といった内容があればいいのに、と思いました。
こういうときの展覧会図録はおそらく巻頭に総論があったり、もう少し踏み込んだ論文が載っていたりするので、背景はそれで説明して、作品解説はディスクリプションに徹底したのかもしれません。すべての作品に同じようなことを書いても仕方がありませんし。展覧会も、各章ごとに説明があるので、作品解説はディスクリプションだけ、ということも珍しくないです。
しかし、それだけだと「その1点が全体の中でどういう意味を持つのか」がよく分からない解説になります。でも、わざわざその作品を展覧会に出したということは、あるテーマに沿って選ぶにあたり決め手になった理由が絶対にあるはず。それをどこまで練り込めるかが問われるのだと思います。
学芸員として勤めていたとき、お世話になった先生(というよりは、今もお世話になっている)からはよく、「一般と個別をバランスよく」と言われていました。一般的に知られていることと、その作品の何が特筆すべきことなのか、それをバランスよく盛り込め、ということです。字数制限内にうまく収めるのは結構大変で、「もうちょっとこれを書きたかったな」と思うこともしばしばありました。なので、友人から言われた「コンテクストがない」というのは耳に痛くもあり、自戒も込めて返したわけです。
ちなみに、字数制限を設けない館もあります。学芸員は書きたいだけ書いてよい、鑑賞者はそこから自分の欲しい情報だけを見ればよいという方針です。これはこれで正しい姿勢でしょう。特に、昨今どこも予算は厳しいので、すべての展覧会で図録を制作できるとは限らない。であれば、情報はすべて作品解説に落とし込んで見てもらおう、というものだと思っています。
ただし、個人的には作品を見ながら大量の文章を読むのは少々難あり、と思います。お客さんは文章を読みに来ているわけではないですし、実際には体力勝負です。でもその親切心には頭が下がります。
作品解説には正解はないけれども、最適はある、しかもそれは館・展覧会によって違うという、言ってしまえば当たり前のような結論で今日は終わります。


20.2.16

ロンドンのフラットに住むときの心構え ねずみ対策 3

さて、ねずみを見てしまった私は日本にいる友人に連絡して助言を求めました(ご主人がイギリス出身で、ご主人のご両親もロンドン在住なのです)。
友人が言うには、とにかくかじられたものは即捨てる、地区の害獣対策課のホームページを見てみる、食べ物はすべてタッパーなどに入れてかじられないようにする、などの対策を教えてくれました。ありがとう!
それで早速、住んでいる地区の役所のホームページを見てみたら、一言、
「一軒だけ対策しても効果はないので、その一帯で害獣対策をします。」
ああ、これはつまり、「事が大きくなるまで動かない」ってことだな、と思い、役所に頼るのを早々諦める。
仕方がないので、家の近くにある Robert Dyas という日用雑貨兼工務店に行き、店員さんに事情を説明して対策を教えてもらうことに。
店員さんは「今も家にいるのかい?どこから入ってくるかを調べるために、最初はえさ入りの罠をしかけておくんだけど」と言いました。
それを聞いてちょっと考えました。しかし罠をしかけて困るのは、
「その後どうするよ?」
ネットで調べたときも、捕まえたはいいものの、その後どうするかで悩んだという意見が多数ありました。「逃がしました」というものから「ここにはとても書けません・・・」まで、およそ虫対策なら見ないであろう、様々な対応とそれに対する苦悩がありました。
結局、「昨日見たねずみは、もう家の中にはいないだろう」と信じることにして、ねずみが入ってこないような処置を施す、ということで旦那と意見が一致、店員さん、「それならこれがいいよ」と、穴をふさぐ接着剤のようなものを持ってきました。
しかし、これは大家さんの許可なしにはできないだろうな、と思ったので、それ以外のもので何かありませんか、と聞いたところ、「じゃあこれはどう?ねずみはかじれないよ」と、スチールウールの束を指さしました。
これならいいだろうということで大量にかごの中に入れ、かつ、人間には聞こえないけれどもねずみには聞こえる警音を出す直径20センチほどの機械(コンセント使用)も購入して帰宅。

ロンドンのフラットは、恐ろしいほどに隙間だらけです。そこにスチールウールをちぎっては詰め、ちぎっては詰め、を繰り返しました。作業中、旦那がぼそっと一言、「スチールウールを触ったの、小学校でやった理科の燃焼実験以来だな。」そういえばやったなあと今更ながら思い出しました。
約1時間ほどで詰め終わりましたが、スチールウールで手を切ってしまって少々痛かったです。軍手を買っておけばよかったと後悔しました。
警音器もコンセントに差し、動いているのを確かめて一安心。それ以来4ヶ月、まったく見ていません・・・と書くはずが、昨日ねずみがどうも壁の後ろまで来てるらしいことを知ってしまったので油断はなりません。
隣の工事、早く終わらないかな・・・

最後に1つ、ねずみ対策を調べていた時に見た、とてもユーモアのあるコメントがこれ。
「ねずみが出たって?ハハ、それはタダで飼えるペットだよ」

19.2.16

ロンドンのフラットに住むときの心構え ねずみ対策 2

昨日の続きでねずみ対策を書こうと思っていましたが、変更です。
というのも、先ほど夕飯を食べ終わって旦那とお茶を飲んでいたところ、
後ろの戸棚の壁奥から「ゴロッ」という、石のようなもの(外壁のレンガ?)が崩れる音とともに、
「チュウ!」という威勢の良い鳴き声が!!
思わず凍り付く旦那と私。「あれから4ヶ月来てないのに今!?」と驚きました。
記事を書いたら呼び寄せてしまったか・・・
ねずみ用警報器(これについては後述)を鳴らしまくり、しばらく経ったところで扉を開けてみましたが、壁をかじられた様子は無く、食べ物も無事でした。
「もう来ないだろう」と思ってうどんとそばを入れておいた(もちろんパックに入ってます)ので、冷や汗ものでした。ああ、危なかった・・・
隣の敷地で解体工事をやっているので、入り込んでしまったのでしょうか。
明日こそは対策を書きます。もう出ないといいな。

ロンドンのフラットに住むときの心構え ねずみ対策 1

かなり前になってしまいますが、入居して2週間ほど経ったときのこと。
台所のテーブルで勉強をしていたとき、灰茶色のものが流し下の戸棚の前を猛ダッシュ、洗濯機の裏にさっと入っていったのを目の端で捉えてしまいました(洗濯機は台所にあるのが通常です。そういえばアメリカでもそうだったなあと今思い出しました)。
あれは虫じゃなかったぞ、ということは、あれは、あれは・・・
「ねずみ!?」
と思った瞬間、悲鳴を上げていました。
旦那と一緒に戸棚や隣の冷蔵庫の下を見ていたら、何と冷蔵庫の下にはまっているべきはずの板がやや傾いていて、隙間が!
応急処置で板をガムテープでとめましたが、初めての事態に二人ともおろおろ。
ともかくも何とかせねばとインターネットで「ロンドン フラット ねずみ」と入れて検索してみたら、出るわ出るわ、皆苦労している模様です。

続きます。

17.2.16

眼鏡


ちょいと一休み、と思って眼鏡を外したら、たまたま晴れて日が差してきました。意外ときれいだったのでさっそく撮影。

14.2.16

Butterfly can opener



こちらの缶切りは日本でよく見かけたものとは違っていて、butterfly can opener と言われるもの。最初は使い方がよく分からず戸惑いました。

追記 2016年2月19日
これについて旦那が書いたのがこちらです。

12.2.16

イギリスらしい(?)CM

Bodyformというナプキンがあるのですが、トイレで便座に座っている女性たちが次々と歓喜の声をあげ、大喜びしているCMを見かけました。下着姿で踊るかと思えば、あまりに喜びすぎて立ち上がったときの勢いで上の戸棚を頭で突き破る、といった場面まであります。
「これはただごとではない」と思ってよく見ていたら、生理用品のパッケージの中にニューヨーク行きの旅行券が入っていることの宣伝なんですね。それに当たった喜びを(かなりおおげさに)表現している模様。
日本であれば、「肌触りが」とか「吸水性が」なんかが宣伝されるのでしょう。「パッケージの中に当たりくじが入ってます」はどう間違ってもないでしょう。
何とも強烈なCMでした。でもからりとした明るさを生理用品に持ち込んだのはなかなかの手腕だと思います。

11.2.16

オックスフォードへ行く



オックスフォード大学で行われる講義を聴きに友人と行ってきました。天気がよくて何より。上2枚はボドリアン図書館 (Bodleian Library) 。大英図書館の次に蔵書数を誇るんだとか。石造りの堅牢な建物でした。


こちらはラドクリフカメラ (Radcliff Camera) 。閲覧室のようです。


そして最後にセントメアリー教会 (University Church of St Mary the Virgin) 。ステンドグラスに日光が反射してそれは神々しい雰囲気でした。

「大学の中に街がある」と言われるだけに、たくさんのカレッジがあります。中には入場料を払えば内部見学もできるとのこと。今度はゆっくり観光したいです。


9.2.16

英単語の微妙なニュアンス

そろそろ博士課程への入学準備を本格的に始めないといけないのですが、先立つものは必要ということで奨学金を探していました。
「これは!」と思うものが見つかったので指導教官に連絡、修論のテーマについても会って相談したい旨を伝えたところ、「おめでとう!いい知らせだ」と返ってきました。
「見つけただけなのに大げさすぎる反応だな」と不思議に思っていましたが、ふと思い当たることが。もしかして自分が使った I have found X.は「獲得した」まで意味するのかということです。そしてその謎が昨日明らかに。
教官の部屋に入るなり「よく受かったね」と言われたので、「これは完全に誤解されているぞ」と確信しました。
私 「受かったのではなくてただ見つけただけで、まだ応募も何もしてないんです」
教官 「やっぱりね。推薦状も頼まれてなかったから何か変だなと思ったんだ!」

I have found X. という表現は結構曖昧で、場合によっては「見つけただけ」なのか「見つけて、かつ得た、獲得した」のどちらなのかがはっきりしない。「見つけただけ」なら、discovered を使うよ、と教官が教えてくれました。
似たような意味ですが、わずかに差異があるものです。気をつけないと。


8.2.16

フィルムカメラの楽しみ

3日から7日まで掲載した写真は、祖父のカメラ、ニコンEMで撮影しました。
祖父は母と叔父曰く「ありとあらゆる趣味をやり尽くした人」で、写真も楽しんでいたようです。
カメラは昨年叔父からもらいました。祖父が亡くなってから10年以上経っており、その間ずっと押し入れにしまいっぱなしだったので、レンズはかびだらけでした。しかし修理屋さんに直してもらったら、ほぼ蘇りました。
ニコンEMは今から40年ほど前に発売されたもので、気軽に写真が撮れるようにと作られたものでした(お散歩ニコンと呼ばれたこともあったらしい)。なので、簡易レンズが付属していたはずなのですが、祖父は本格的に写真をやろうと考えたらしく、ニッコールレンズを揃えていました。しかも3本も。
そのうちの50ミリ標準レンズで撮影したわけですが、これがなかなか面白かったです。ファインダーで見える範囲が最初から決まっているので、どう構図を作るか、何に焦点をあてるのかということに集中できたのがよかったです。また、レンズの中心と周縁で光の入り方が異なり、自然と中心にあるものに光があたっているような気がします。あくまで「そんな気がする」ということなのですが。
フィルムカメラ、侮れません。

7.2.16

Senate House


オックスフォード・サーカスに近い The Photographers' Gallery で Saul Leiter (1923-2013) の展覧会を見ました。ガラスに映る反射を生かした写真が面白くて、自分でも撮ってみようと思ったら上のような写真に。中央右に写るぼんやりとしたものは電球なんですが、うまく写らず・・・
Senate House はロンドン大学の本部です。アール・デコ調の美しい建物です。

5.2.16

Victoria and Albert Museum



ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム(略してV/Aとも)はデザインミュージアムとしても有名ですが、古今東西のありとあらゆる美術品を収蔵しています。上2枚は中世からルネッサンス期にかけての彫像を集めた部屋。写っている人と比較しても分かるとおり、巨大な門そのものを収蔵した部屋です。

1.2.16

剽窃を防ぐために

昨日エッセイ返却のことを書いたついでにもう一つ。
SOASだけではないと思うけれども、イギリスの大学・院では大学側が設定したサイトからインターネット経由でエッセイを提出します。
このサイトには、膨大な文献の本文がデータベースとして入っていて、提出されたエッセイが剽窃していないかを照合しています。過去の文献に似た文章があれば、Similarity としてパーセンテージで出てきます。ただし、これは学生には見えない。
もちろん、直接引用をしなければいけないときもあるから引用・参考文献をきっちり書けばよい。しかし何よりも、要約・言い換えなどを駆使して自分の言葉で書くように努めなければいけないのが大事。
初めてエッセイを提出した中間課題のときは心底驚きました。数年前まだ日本の大学院で学生だったときは、現物で提出でしたから。
某科学者の論文で剽窃問題が取り沙汰されて久しいですが、あれから日本の大学・院はどう指導しているのかと気になります。今や毎日大量に情報が生産される時代ですし、教員が見抜けないのも仕方がないのではないか。それであれば、照合データベースのようなものを作るのも手ではないかと、こちらの提出方法を見て思いました。でも、開発にはお金がかかるだろうなあ。