20.1.16

オックスフォード大学のスレイド・レクチャーに行く

中国美術研究者のウー・ホン教授(シカゴ大学)がこれから6週間、毎週水曜日に講義をするというので行ってきました。
この講義、スレイド・レクチャーというのですが、「スレイド(Slade)」はオックスフォード大学、ケンブリッジ大学、そしてロンドン大学の美術教授職のことをいうんだそうで、そのために基金を設立したフェリクス・スレイドという人物にちなんでいるらしい。
オックスフォードは、ロンドンからパディントン駅発の電車でおよそ1時間かかります。出発寸前まで発車するプラットフォームが分からない(それまで電光掲示板をにらみ続け、表示された瞬間に早歩き)のには閉口しましたが、無事乗車。発車して数十分すると、のどかな田園地帯が広がっていて、馬が草を食んでいました。
噂に違わず、オックスフォードは古い建築物が美しい街です。至る所に歴史を感じさせます。

ウー教授のタイトルは Feminine Space: An Untold Story of Chinese Pictorial Art で、中国美術における女性の表象を取り上げます。まず、中国美術における女性の図像を「仕女画 female figure painting」と「美人画 beautiful woman painting」と表記することがあるのを確認しつつ、そもそも女性が描かれるというのはどのようなときか、という観点で始まりました。例として挙がったのが紀元前6世紀から3世紀に作られた名旗で、亡くなった人(男女)が死後の世界へ旅立つ姿が描かれているものです。別の例として出された壁画では、男女が西王母 (the Queen Mother of the West) のもとへ向かう場面が描かれているものがあります。つまり、女性が描かれたのは、紀元前であれば死後の世界や想像上の世界である、というのが今日の内容でした。
面白そうなので、来週もまた行く予定です。