今回は、財布をすられたことの他に、思わぬ出来事に驚いたり、色々と考えさせられることの多い旅でもありました。
まずベルリン。我々4人はスポーツにまったく関心が無かったので、当然のことながら知らなかったんですよ、まさか5月21日にDFBポカール(ドイツサッカー連盟杯)の決勝戦、バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・ドルトムント戦がベルリンで行われるということを・・・
前日BRPビザの申請で寝るのがすっかり遅くなったため、朝遅く起床した我々は、早めのお昼を外で食べることにしました。駅のホームで電車を待っていたところ、黄色いユニフォームを着たおっさん達一行が電車から降りてくるのを見たわけです。その内何人かは手にビール瓶を抱えているし、頭には角が生えた帽子を被っているし、とにかくやたら大きい声で歌っているしで、なにやらただ事じゃないぞという雰囲気をこれでもかというほど発していました。レストランに着いてみたら、奥のガーデン席は黄色いユニフォームを着た人たちで埋まっているという状況でした。ただ、このときは小さな子供を連れた家族連れも何組かいたので、あまり気にしなかったわけです。
その後シャルロッテンブルグ宮殿を見て、夕ご飯を食べに中心部へ出ようという電車の中で、「もしかしてサッカーの試合でもあるのかな」と、そのとき初めて気づいた私。調べてみて仰天しました。だって決勝戦ですよ?昼間のファン(フーリガンというべきか)の様子から見てこれは絶対に夜危ないと思った友人Aが、「今日はすぐに帰って宿でご飯を食べよう」と強く主張し、急遽帰ることにしました。
ところが、乗り換えの駅で宿の方へ向かう電車に乗ったはずが、何をどう間違ったか反対方向に行ってしまい、しかも終点が当の決勝戦が行われるスタジアムのある駅という、とんでもないところに着いてしまったのでした。降りてみると、がっちりした体格の警官がすでに大勢詰めており、黄色と赤のユニフォームを着たファンがスタジアムへ続々と歩いて行くではないですか。
急いで駅員さんに聞いて、正しい方向へ行く電車が出発するホームへ移動した私たち。早足で移動するときにちらりと見た感じでは、警官たちはこの状況には慣れっこのようで、談笑しながら警備しているようでした。しかも、ある警官は友人Aが通り過ぎようとしたとき、「飴あるけど、どう?」とにこにこしながらロリ—ポップのようなものを差し出してからかってきました。仕事しろよ、おい。突然の警官の行動にびっくりして立ち止まってしまったAを、友人Vが「気にしないで!」と後ろから押してました。
こうして無事宿に帰ってきたのですが、夜インターネットで結果を見たところ、延長になっても0対0で、PK戦により5対4でバイエルン・ミュンヘンが勝ったとのことでした。街中に出なくて正解だったかもしれません。友人Vは、「ドルトムントのPK外しちゃった人、生きて帰れるといいね」とつぶやきました。